働く社員のコンディションを定期的にチェックすることは経営側や上司の責任のひとつです。昨今リモートワーク勤務も増えてきたことで、日々コンディションの変化を把握することは難しくなってきました。気付かぬうちに社員が心身に疲労を抱えていた、ということも少なくありません。そこで今回は、コンディションチェックの必要性、把握するためのポイントについて解説します。コンディションチェックの必要性についてメンタルの不調は、社員のパフォーマンス低下をもたらし、結果として企業の信頼失墜にもつながりかねません。そのような事態を避けるためにも、メンタルヘルス対策として、コンディションチェックが非常に大切です。メンタルヘルス対策は、一次予防、二次予防、三次予防という考え方にもとづいて進めることが国の指針で推奨されています。一次予防とは「メンタルヘルス不調の未然防止」で、セルフケアがポイントです。セルフケアとは、疲れやストレスを感じたら休息をはさむ、必要なら専門家へ相談するなどメンタルヘルスを健康に保つために自ら工夫することですが、簡単ではありません。なぜなら不調に気づかない、あるいは気づいてもそのまま放置してしまうからです。そこで、客観的なチェック体制の構築と、不調を未然に防止する取り組みの強化が重要となります。二次予防とは「メンタルヘルス不調の早期発見」です。上司や産業保健スタッフなどによる相談体制を構築することで、早期発見でき、適切な対応が可能となります。コロナ禍以降にリモートワークが普及したことで、これまで対面で確認できていた社員の表情や雰囲気からメンタルヘルスを把握することが難しくなりました。従来型の体制だけではケアが難しいため、メンバーのコンディションを把握するためのツールの必要性が増しています。三次予防は「職場復帰支援」で、主治医との連携体制や職場復帰支援プログラムの構築です。コンディションチェックツールを導入することで、簡単な健康チェックが日々で可能となり、従業員に対して適切なフォローが提供できるようになります。ひいてはこれらが急な離職の防止にも繋がります。コンディションチェックで現場の実態を把握できる職場の実態を知りたいときにも、コンディションチェックが有効です。会社組織においては、経営側と現場の認識に差異が生まれることは往々にしてあります。業務へのモチベーションを例にとってみましょう。経営側は現場のモチベーションが高いと認識していても、実は現場では社員が疲弊しておりモチベーションが低下している、といった状況はどこの組織でもよくあります。つまり、このような認識の相違が生まれることは組織運営では当たり前ということです。目に見えないことだからこそ、コンディションチェックを活用することで、現状を可視化し、正確に状況を把握することが大切といえます。現場で働く社員の声を集めることで、現状と課題を把握できるため、対策も立てやすくなるでしょう。コンディションチェックを実施する際のポイント社員のコンディションチェックを確認するためには、全体像や実態を把握するサーベイが必要です。サーベイの流れは、・質問項目の決定・質問項目をもとに調査を実施・調査結果の集計〜分析・課題への対策を検討し実行となります。サーベイを通じてコンディションチェックを実施するうえで重要なポイントを4つにまとめました。①目的を伝えるサーベイを実施するためには、社員の協力が欠かせません。快く応じてもらうためにも事前に、「なぜ行うのか」「メリットは何か」について伝えるようにしましょう。②匿名性を確保するサーベイでは匿名性の確保が重要になります。なぜなら、職場への不満や、改善要望についてヒアリングすることもあり、匿名性が確保されていないと正直な意見を集めることが難しくなるからです。サーベイを実施する理由と同時に、匿名であること、回答内容で不利益を被ることがないことも事前に伝えるようにしましょう。③業務負担とならないよう配慮する当然ですが、通常業務の負担にならない配慮が必要です。余裕をもった回答期限、効率よく回答できる質問設計、繁忙期に実施しないなど、社員の負担にならないようにしましょう。④結果をフィードバックする調査結果は、必ずフィードバックしてください。具体的なフィードバック方法は会社の規模などにもよりますが、・チャットツールなどを通じて社長からフィードバックする・定例報告の場で状況を共有する・管理職とメンバーの1on1の場でフィードバックするなどがあげられます。声をあげた結果、組織体制や業務に意見が反映されていると感じられると、社員は会社を信頼し、より業務へ取り組むモチベーションにもなりえます。逆に、フィードバックを怠ると、サーベイ自体が形骸化してしまいます。コンディションチェック導入の注意点①回答に対応できる体制の構築サーベイで集めた回答に対して、すぐに対応できるように体制を整えておきましょう。万が一、コンディションに問題を抱えている社員がいる場合、コミュニケーションの場を設け、詳細を確認しなければいけません。放置は悪化を招きます。②回答の確認者を事前に明確にするサーベイでは、ネガティブなことを含め、社員の本音を引き出す必要があります。そこで、回答を確認する人が誰なのか明確にしましょう。直属の上司に見られるのではないかと勘繰り、本音を答えないケースが考えられるからです。③他のサーベイとの整合性をとるテーマの違うサーベイを実施する場合は、頻度やタイミング、設問内容を調整しましょう。コンディションチェック以外にも、組織診断や満足度調査などのサーベイを取ることもあります。社員からすれば、同じようなアンケートに何度も回答する気になりますので、重複している質問はないか、配信時期は離れているかなどを確認してください。コンディションチェックには「パルスサーベイ」パルスサーベイとは週次や月次など、比較的短いスパンで従業員満足度を測るための調査方法です。頻繁に調査を実施することによって、問題点や課題を迅速に把握できるメリットがあります。高頻度に実施する分、質問項目はポイントを押さえた簡易なものとし、効率よく回答できるように工夫しましょう。パルスサーベイ質問項目の作り方質問項目は、大きく「仕事」「人間関係」「体調」の3つのカテゴリーで構成します。・「仕事」:やりがい、業務量、働き方、就業時間や環境、残業、報酬などに関すること・「人間関係」:上司、同僚、組織などに関すること・「体調」:体調と健康について、不安なことに関すること質問数は必要最低限とし、10問程度を上限としましょう。カテゴリを絞るのであれば、3問程度で終わることもあります。社員個人の情報を収集するのが目的ではなく、あくまでもコンディションに関するアラートが察知できればOKです。日々のコンディションチェックに「Boocas」がおすすめ社員のコンディションチェックで大切なことは、状況を客観的に可視化し、対策を講じることです。そこで「Boocas」が役立ちます。Boocasなら日々のサーベイのなかで、・サーベイ結果をフィードバックする上司に対して、伝えるべき内容を具体的に提案してくれるため、効果の高い1on1が実施できます。・「実践的なコーチングメソッド」が毎日配信されるため、上司の感覚に頼らないフィードバックを実現します。社員のコンディションを守るために、興味がある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてみてください。