「今年の目標をみんなに共有したけど、反応がイマイチな気がする…」 部下に目標を指示しても、どこか他人事のように扱われたり、モチベーションが上がっていないと感じていませんか? もしかしたら、それはメンバーにとって目標が“やらされ感”のあるものになってしまっているからかもしれません。いくら素晴らしい目標を設定したとしても、現場のメンバーが当事者意識を持って取り組めなければ、目標達成は難しいです。 そこで今回は、目標設定でメンバーに“やらされ感”を与えないための3つの秘訣を、具体的なケーススタディやよくある質問を交えながら解説していきます。チーム全体で目標達成を目指せるような、理想的な関係性を築いていきましょう。目標設定でメンバーが“やらされ感”を感じてしまう理由まずは、メンバーが目標設定に対して“やらされ感”を感じてしまう原因を探っていきましょう。大きく分けて、以下の3つの要因が考えられます。1. 上司の一方的な押し付けになっていませんか?上司という立場を利用して、頭ごなしに目標を指示してしまうと、メンバーは「やらされている」と感じてしまいます。 目標達成には、メンバーの自主性や積極性が不可欠です。「なぜその目標を達成する必要があるのか」「目標達成によって、どのような未来を描きたいのか」といった部分をしっかりと共有できていない場合、メンバーのモチベーションは上がりません。2. 現場の意見を軽視していませんか?目標設定の際に、現場の意見を十分に聞かずに進めてしまうことも、“やらされ感”に繋がる要因の一つです。現場で日々業務に取り組むメンバーは、会社の課題や改善点について、よりリアルな視点を持っています。彼らの意見を軽視してしまうと、目標への共感を得づらくなるだけでなく、現場の状況にそぐわない、非現実的な目標設定をしてしまう可能性もあるでしょう。3. 目標達成のプロセスが見えづらくなっていませんか?目標だけが先行してしまい、具体的なプロセスやスケジュールが明確になっていない場合も、メンバーは不安を感じてしまいます。目標達成までの道のりが曖昧なままだと、「本当に達成できるのだろうか」「自分には荷が重すぎるのではないか」といったネガティブな感情を抱きやすくなるでしょう。目標達成へのプロセスを可視化し、メンバーが具体的なイメージを持てるようにサポートすることが大切です。“やらされ感”が引き起こす3つの悪影響メンバーが目標に対して“やらされ感”を抱くと、組織全体に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような3つのリスクが考えられます。1. メンバーのモチベーション低下目標に共感できず、やらされ感ばかりが先行してしまうと、モチベーションが大きく低下してしまいます。モチベーションが低下した状態では、本来持っている力を十分に発揮することができず、パフォーマンスの低下にも繋がるでしょう。2. チームワークの悪化目標達成に向けて、チームで一丸となって取り組むべきときに、「自分だけ頑張るのは不公平だ」「どうせ頑張っても評価されないだろう」といった感情が生まれてしまうと、チームワークが悪化してしまいます。その結果、協力体制が崩れ、目標達成が困難になるだけでなく、メンバー間のコミュニケーション不足や人間関係の悪化に発展する可能性もあるでしょう。3. パフォーマンスの低下モチベーションの低下やチームワークの悪化は、最終的にパフォーマンスの低下に繋がります。目標に対して当事者意識が低く、受動的な姿勢で取り組んでいては、質の高いアウトプットは期待できません。また、目標達成のための努力を怠ったり、責任逃れをするようになったりするなど、組織全体に悪影響が及ぶ可能性もあるでしょう。【ケーススタディ】実際にあった“やらされ感”エピソードここでは、実際にあった“やらされ感”のエピソードを2つ紹介しましょう。A社のケース:トップダウン目標設定の落とし穴A社は、従来型のトップダウンで目標設定を行う企業でした。経営層が市場動向や売上目標などを踏まえて目標を設定し、それを現場に落とし込むという方法です。しかし、現場の状況や意見が反映されないまま目標設定が行われるため、メンバーからは「なぜこの目標なのか理解できない」「現場の状況を全く考慮してくれていない」といった不満が噴出。その結果、目標達成意欲が低下し、目標達成率も低迷していました。B社のケース:現場の意見を無視した結果…B社では、新規事業の立ち上げにあたり、リーダーが独断で目標設定を行いました。現場のメンバーからは「実現可能性が低い」「スケジュールが現実的ではない」といった意見が挙がっていましたが、リーダーはそれらの意見を聞き入れず、目標達成を強く迫りました。その結果、メンバーは疲弊し、モチベーションが低下。結局、目標達成はできず、チームは解散に追い込まれてしまいました。【秘訣1】目標設定は参加型で!メンバーを巻き込む3ステップメンバーの“やらされ感”を解消するためには、目標設定にメンバーを積極的に巻き込むことが重要です。ここでは、メンバー参加型の目標設定を実現するまでの3つのステップを紹介します。Step1:現状分析 - チームで課題を共有まずは、現状分析を行い、チーム全体で共通認識を持つことが大切です。現状分析では、チームメンバー全員で現状における課題や問題点を洗い出していきます。例えば、ワークショップ形式で意見交換を行う「KPT分析」や「SWOT分析」などのフレームワークを活用すると良いでしょう。重要なのは、メンバー一人ひとりが自分の意見を安心して発言できる雰囲気作りをすることです。フレームワーク説明メリットKPT分析Keep(継続すべきこと)、Problem(問題点)、Try(改善策)の3つの視点から現状を分析するフレームワーク。シンプルで分かりやすく、短時間で分析できる。改善策を具体的に検討しやすい。SWOT分析Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの視点から現状を分析するフレームワーク。外部環境と内部環境の両方を考慮することで、多角的な分析が可能になる。Step2:アイデア出し - 自由な発想で目標を検討現状分析で課題や問題点が明確になったら、次は解決策を検討し、目標を具体的にしていきます。この段階では、自由な発想で、様々なアイデアを出し合うことが大切です。「ブレーンストーミング」や「マンダラート」などの手法を活用しながら、メンバーの発想を促進しましょう。質より量を意識し、否定的な意見は控えることで、活発な意見交換を促します。Step3:目標決定 - みんなで納得感を持つアイデアを絞り込み、最終的な目標を決定します。目標設定の際には、「SMART」の法則を意識すると、より具体的で達成しやすい目標設定に繋がります。重要なのは、目標達成によって得られるメリットや、組織全体への影響などをメンバー間で共有し、納得感を持って目標に臨める状態を作ることです。SMARTの法則要素説明Specific(具体的)目標は具体的で、誰にでも理解できる内容である必要があるMeasurable(測定可能)目標の達成度合いを測るための、明確な指標を設定するAchievable(達成可能)現状の能力やリソースを考慮し、努力すれば達成できる目標を設定するRelevant(関連性)組織全体の目標やビジョンに沿った目標である必要があるTime-bound(期限)目標を達成する期限を明確にする【秘訣2】メンバーの強みを活かす!目標達成に繋げる1on1術チームで目標を設定する際には、メンバー一人ひとりの強みを活かすことも重要です。メンバーの個性に合わせた目標設定を行うことで、モチベーションやパフォーマンスの向上に繋げることができるでしょう。そこで有効なのが、定期的な1on1です。1on1を通して、メンバーとの信頼関係を築き、目標達成に向けたサポート体制を整えましょう。強みの棚卸し - 1on1で才能を引き出す1on1では、まずはメンバーの強みを明確にすることから始めましょう。事前に「みんなのマネージャ」を活用し、メンバーの強みや弱みを理解しておくと0から話を始めるよりも効果的です。重要なのは、メンバー自身が自分の強みや才能に気づき、自信を持って仕事に取り組める状態を作ることです。そのためには、一方的に評価を伝えるのではなく、「どんな時に達成感を感じるか」「どんな仕事が好きか」といった質問を通して、自己分析を促すことが重要です。目標への落とし込み - 強みを活かせる役割分担をメンバーの強みを把握したら、それを活かせるように、チーム全体の目標を個人目標に落とし込みます。得意な分野の業務を任せる、チャレンジしたい分野に挑戦する機会を与えるなど、個々の強みを最大限に活かせるような役割分担を心がけましょう。ただし、得意分野ばかりを任せるのではなく、不得意分野を克服するためのサポートも忘れずに行いましょう。メンバーの成長を促せるような、バランスの取れた目標設定を心がけることが大切です。成長を促すフィードバック - モチベーション向上に繋げる目標達成に向けて、定期的なフィードバックは欠かせません。フィードバックでは、目標達成度合いの確認だけでなく、課題や問題点、改善策などを共有します。その際、頭ごなしに否定するのではなく、具体的な事例を交えながら、改善点を明確に伝えるようにしましょう。また、頑張りを認め、感謝の気持ちを伝えることも重要です。ポジティブなフィードバックは、メンバーのモチベーション向上に繋がり、さらなる成長を促すことができるでしょう。定期的に1on1をしないといけないとわかっていながら、プレイングマネージャーとして店の運営、アルバイトのシフトの管理、入職者・退職者の対応で時間がないマネージャーにとって、定期的に1on1が実施できないと困っている方にお勧めなのが、「みんなのマネージャ」です。「みんなのマネージャ」は現場でPCがない場合も、スタッフはスマートフォンを使って簡単な質問に答えるだけで、スタッフのコンディションが一目瞭然なので、優先的に1on1をするスタッフがわかります。ドトールコーヒー大阪駅前第一ビル店では、忙しいマネージャーでも「みんなのマネージャ」を利用し、声掛けすべきスタッフに適切に声掛けをして、モチベーション維持・向上に役立てています。⇒【事例】ドトールコーヒー副店長に聞く 中間管理職として 「みんなのマネージャ」を使い、本部評価をあげる方法 【秘訣3】成功体験を積み重ねる!小さな目標でモチベーションを維持目標達成までの道のりが長すぎたり、難易度が高すぎたりすると、メンバーはモチベーションを維持するのが難しくなってしまうでしょう。そこで有効なのが、大きな目標を小さな目標に分割し、成功体験を積み重ねていくという方法です。ここでは、目標達成までの道のりを可視化し、モチベーションを維持するための3つのステップを紹介します。目標を細分化 - 達成しやすいステップに分解まずは、大きな目標を達成しやすいように、より小さな目標に細分化します。例えば、「年間売上目標1億円」という大きな目標を、「今月は新規顧客獲得10件」「今週は商談件数5件」のように、具体的な行動目標に落とし込むイメージです。小さな目標をクリアしていくことで、達成感を味わうことができ、モチベーション維持に繋がります。また、目標達成までの進捗状況を把握しやすくなるため、進捗が遅れている場合には、軌道修正を行いやすくなるというメリットもあります。進捗共有 - チームで喜びを分かち合いモチベーションUP設定した小さな目標が達成できたら、チーム全体で共有し、喜びを分かち合いましょう。週報や朝礼などの場で、メンバーの成功体験を共有するのも有効です。また、「kudos(クードス)」と呼ばれる、メンバー同士で感謝や称賛の気持ちを伝え合う仕組みを導入するのも良いでしょう。チーム全体で成功体験を共有することで、一体感が生まれ、モチベーション向上に繋がるだけでなく、メンバー間のコミュニケーション活性化にも繋がります。達成度合いに応じた軌道修正 - チームで柔軟に対応目標達成状況を定期的に確認し、進捗が遅れている場合には、軌道修正を行うことも重要です。状況の変化に応じて、目標設定を見直したり、スケジュールを調整したりするなど、柔軟に対応しましょう。重要なのは、目標達成に固執しすぎるのではなく、状況に合わせて、チーム全体で最適な方法を選択することです。また、軌道修正の際には、メンバーに相談し、納得感を得ながら進めるように心がけましょう。目標達成はあくまで手段であり、目的ではありません。目標を通して、チーム全体で成長できる状態を目指しましょう。ドトールコーヒー大阪駅前第一ビル店では、「みんなのマネージャ」を使用して、スタッフのスキルアップに取り組み、スキルアップしたスタッフは時給アップされる仕組みを導入しています。チームを強くしたい接客業マネージャーにとって、スタッフのスキルチェックもできて便利です。目標設定に関するよくある質問最後に、目標設定に関するよくある質問に答えていきましょう。Q. 目標設定にメンバーを巻き込む時間の余裕がない場合は?A. 限られた時間の中でメンバーを巻き込むためには、「簡易的なアンケートを実施する」「短時間の意見交換会を実施する」といった方法が考えられます。例えば、目標設定案を事前に共有し、それに対する意見やアイデアをオンラインツールで収集するという方法も有効です。重要なのは、たとえ短い時間でも、メンバーとのコミュニケーションの機会を設けることです。「みんなのマネージャ」を使えば、簡単な質問に答えるだけでスタッフのコンディションがわかります。直接声掛けや1on1を実施する時間がなくても、画面上にコメントを書くことでコミュニケーションを密に図ることができます。Q. 目標達成意欲の低いメンバーへの効果的な関わり方は?A. まずは、目標達成意欲が低い原因を探ることから始めましょう。目標に共感できていないのか、業務量に課題を感じているのかなど、原因は様々です。1on1などを実施し、本音を引き出すことが重要です。その上で、目標達成によって得られるメリットを具体的に伝えたり、達成しやすいように目標を細分化したりするなどの工夫を凝らしましょう。また、他のメンバーの成功事例を共有したり、チームで目標達成する喜びを分かち合える機会を設けたりするなど、モチベーション向上に繋がる働きかけが重要です。Q. 目標設定後に状況が変化した場合の対処法は?A. 市場環境や顧客ニーズの変化など、状況の変化に応じて目標設定を見直すことも重要です。目標設定が現状と合わなくなっている場合は、無理に目標を達成しようとせず、柔軟に見直しましょう。その際、メンバーに状況を丁寧に説明し、納得感を得ながら進めることが大切です。目標設定は、一度決めたら終わりではありません。状況に合わせて柔軟に見直すことで、より効果的に目標達成を目指しましょう。メンバーの“やらされ感”を解消し、目標達成へ導く今回は、目標設定でメンバーに“やらされ感”を与えないための3つの秘訣を紹介しました。重要なポイントを改めておさらいしましょう。メンバーを巻き込む参加型の目標設定を心がける1on1を通して、メンバーの強みを活かす目標を細分化し、成功体験を積み重ねるこれらのポイントを意識することで、メンバーのモチベーションやパフォーマンスが向上し、目標達成の可能性を高めることができるでしょう。また、目標設定や進捗管理をスムーズに行うためには、目標管理ツールを活用するのも有効です。目標管理ツールを導入することで、目標の可視化、進捗状況の共有、フィードバックの実施などを効率的に行うことができます。ぜひ、今回の内容を踏まえ、チーム全体で目標達成に向かえるような、より良いマネジメントを目指してみてください。デスクレスな現場の人材マネジメントクラウド「みんなのマネージャ」の無料トライアルはこちら『みんなのマネージャ』のお問い合わせや無料トライアルのお申し込みは下記より・資料請求はこちらから・無料トライアルのお申し込みはこちらから