一般社員からマネージャーに昇進すると、今までと同じ働き方では通用しなかったり、責任範囲が広がったりして、最初は困惑することも多いですよね。この記事では、若手マネージャーが最初にぶつかりがちな壁を壊すための「4つの問い」を投げかけていきます。自分では回答が分からない質問は、会社の上司や同僚の力も借りながら答えてみてください。すべてに回答できたころには、打開策が見つかるはずです。それでは、スタート!本記事は、組織能力開発コーチ/潜在意識コーチ®として活動する安藤 小百合が執筆しています。現場で実際に役立つヒントをわかりやすく解説していきます。【問い①】あなたが会社から求められている役割・ゴールは?もちろん、企業や部署によって求められるマネージャー像やスキルは異なりますが、まずはあなたのマネージャーとしての役割を明確にする必要があります。改めて、あなたが会社から求められている役割とゴールは何でしょうか?少なくとも全マネージャーに言えることは、これまでは「自分自身が成果を出せばOK」だった世界から、「チームとして成果を出す責任が伴う」世界に変わったということ。マネージャー就任当初は、ほとんどの人がこの責任範囲の変化に戸惑いを感じるはずです。また、仕事のベクトルの向きを「自分」から「組織/会社全体」へ変えることが必要になります。これらの意識改革を起こすためにも、上司に確認して、まずは自らに求められていることを明確に言語化しておきましょう。【問い②】あなたの理想のマネージャー像、なりたくないマネージャー像は?仕事に絶対的な正解がないように、役職の在り方にも絶対的な正解はありません。それなら、あなたなりに「マネージャーの正解」を定義してしまいましょう。そこでヒントとなるのが、あなたが一般社員(部下)だった頃の経験。あこがれていた上司や理想的だと感じていた上司にはどんな特徴がありましたか?また、どんなときに、どんな言葉をかけてくれましたか?どんな背中を見せてくれましたか?できるだけたくさん書き出してみてください。反対に、嫌だと思っていた上司や理想的ではないと感じていた上司には、どんな特徴や言動がありましたか?こちらも、できるだけたくさん書き出してみてください。そして、それを逆説にして、理想の上司像に付け足してみましょう。【問い③】あなたが上記のような理想の上司を目指す際に「障壁」となりえることは?理想の上司像をたくさん言語化できたら、次はあなたがそんな人を目指す際に「障壁」となりえることを書き出してみましょう。特に、成功体験が多いプレイングマネージャーほど、マネージャーの仕事を苦痛に感じる傾向が多いと言われています。理由は「自分でやったほうが早い」「部下がなぜできないのか分からない」と思ってしまったり、つい口出しをしてしまったり、自分の正解を押し付けてしまったりするから。身に覚えがある人も多いかもしれません。これは、それが良い悪いの問題ではなく、スポーツ業界でも優秀な選手と優秀な監督は別物なのと同じこと。そもそも、目の前の仕事に対する脳の使い方が異なるだけなのです。プレイヤーがマネージャーの役割を背負うことになったら、まずは自身の傾向を客観的に知ることが必要。優秀なプレイヤーとして長年に渡り形成してきた「思い込み」「思考のクセ」「マイルール」などが、部下たちへの寄り添いを妨げてしまうこともあるのです。自身の「思い込み」「思考のクセ」「マイルール」が分からない人は、上司や同僚にヒアリングしてみてください。周りの人の方が、案外あなたの傾向をよく知っているものです。【問い④】あなたの部下の長所は?日本人は特に物事や人の欠点を探すのが得意です。部下の欠点が目について、ついイライラしてしまっていませんか?前提として、人間は承認されて初めて変化への勇気を持つ生き物です。経営コンサルタントの船井幸雄さんも、「人の成長は“長所”を伸ばすことが先決」という言葉を残しています。(これを「長所伸展法」と言います)人と対峙する際は、否定ではなく受容。指摘よりも賞賛なのです。あなたは部下の長所を何個言えますか?早速、1人につき10個以上(!)書き出してみてください。まとめ若手マネージャーが最初にぶつかる壁を壊す「4つの問い」は以上です。いかがでしたか?前述のとおりマネジメントに正解はありませんが、強いて言うなら、マネージャーであるあなた自身と部下の皆さんが“心身共に健康に働ける環境をつくること”が、正解のひとつと言えると思います。今後新たな壁が出現したら、「どうなったら皆が最高?」「そのために今できることは?」この2つの問いを自分に投げかけてみてください。これまでも一般社員としてしっかり働いてきたあなたなら、答えはすでに自分の中にあるはず。それを正解と思って大丈夫です。皆さんのマネージャーライフと部下の皆さんのワークライフが、これから最高のものになりますように!心から応援しています。