この記事のポイント日本の平均離職率は15.4%(令和5年雇用動向調査)。宿泊業・飲食サービス業は26.6%と最も高い。離職率が高い企業には「対話不足」「成長実感の欠如」「心理的安全性の低さ」という3つの共通点がある。退職理由には必ず「ホンネとタテマエ」のギャップが存在し、在職中にサーベイやAIを活用して本音を把握することが離職防止の鍵となる。「同業他社と比べて、うちは離職率が高いのだろうか?」「人間関係も良好だと思っていた部下が、突然退職届を持ってきた」「経営層から離職率の報告を求められたが、数字を出すだけでいいのか悩む」人材流動化が進む今、自社の離職状況を正しく把握し、適切な手を打つことは人事の最重要課題です。しかし多くの企業が離職対策に取り組みながら成果が出ない最大の原因は、「離職率の現状を正しく把握できていない」ことと、「なぜ辞めるのか(真因)を見抜けていない」ことの2つにあります。本記事では、厚生労働省の最新データに基づく離職率の実態から、退職理由の「ホンネとタテマエ」を見抜く分析手法、そして離職を未然に防ぐための具体的なアクションまでを一気通貫で解説します。1. 日本の離職率の現状【2026年最新データ】1-1. 離職率とは?(定義)離職率とは、一定期間内に退職した従業員の割合を示す指標です。計算式は「離職者数 ÷ 期初の常用労働者数 × 100」で求められます。この数値が高いほど、人材の流出が多い状態を意味します。出典:厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概況」1-2. 全体の平均離職率厚生労働省の「令和5年 雇用動向調査結果の概況」によると、2023年(令和5年)の日本全体の平均離職率は15.4%でした。入職率(16.4%)が離職率を上回っているものの、依然として7人に1人以上が毎年職場を去っている計算です。1-3. 業界別の離職率ランキング離職率は業界のビジネスモデルによって大きく異なります。自社の数値と比較する際は、全体平均ではなく同業界の平均を見ることが重要です。離職率が高い業界 TOP5順位業界離職率特徴1位宿泊業・飲食サービス業26.6%シフト制・対人ストレス2位生活関連サービス業・娯楽業21.7%若手比率が高い3位サービス業(他に分類されないもの)19.0%非正規比率が高い4位教育・学習支援業16.3%非正規・契約形態が多い5位医療・福祉14.8%夜勤・精神的負荷出典:厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概況」離職率が低い業界 TOP3順位業界離職率特徴1位鉱業・採石業等6.3%参入障壁が高い2位金融業・保険業9.1%雇用・待遇が安定3位複合サービス事業10.3%公的性格が強い出典:厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概況」1-4. 年代別の傾向:「入社3年の壁」は健在新卒社員(大卒)の約3割が3年以内に離職するという傾向は依然として続いています。20代前半の離職率が突出して高い背景には、「この会社で成長できるか」というキャリアへの不安や、リアリティショック(入社前の理想と現実のギャップ)が大きく影響しています。関連記事:新入社員が抱えるストレスとは?早期離職を防ぐための完全ガイド2. 離職率が高い企業に共通する「3つの不足」データ分析から見えてくる、離職率が高い組織の共通点は以下の3つです。2-1. 「対話」の不足業務連絡だけのコミュニケーションに終始し、部下の悩みやキャリアの希望を聞く機会(1on1など)が形式化、あるいは完全に欠如している状態です。「最近どう?」という何気ない声掛けすらない職場では、不満が水面下で膨らみ続けます。関連記事:【完全版】1on1ミーティングとは?2-2. 「成長実感」の不足「この仕事を続けてもスキルがつかない」「評価されている実感がない」と感じさせてしまう評価制度やキャリアパスの不明瞭さが、特に若手の離職を招きます。2-3. 「心理的安全性」の不足困ったときに助けを求めにくい、失敗が許されない雰囲気がある職場では、従業員は常に緊張状態に置かれ、疲弊して去っていきます。Googleのプロジェクトアリストテレスの研究でも、心理的安全性がチーム成果の最大の予測因子であることが示されています。関連記事:Googleプロジェクトアリストテレスが導き出した真実3. 退職理由の「ホンネ」と「タテマエ」を見抜く3-1. なぜ本当の退職理由は語られないのか退職面談で語られる理由は、円満退社するための「タテマエ」であることがほとんどです。すでに退職を決めた人にとって、本当の不満を伝えるメリットはなく、波風を立てずに去りたいというのが本音だからです。3-2. ホンネとタテマエのギャップ一覧タテマエ(よく聞く理由)ホンネ(実際の理由)「キャリアアップしたい」→「この会社では将来が見えない」「評価に納得がいかない」「家庭の事情」→「残業が多くて体が持たない」「有給が取りづらい」「一身上の都合」→「上司と合わない」「職場の人間関係が辛い」「やりたいことが見つかった」→「自分のスキルが正当に評価されない」「成長実感がない」「体調不良」→「メンタルヘルスの限界」「ハラスメントを受けている」各種調査でも、本音の退職理由の上位は常に「人間関係」「評価への不満」「労働環境」が占めています。これらは退職が決まった後ではなく、在職中に感知しなければ手遅れになるものばかりです。4. 離職を防ぐためのデータ分析3ステップ離職率を下げるためには、勘や経験ではなくデータに基づいたアプローチが不可欠です。ステップ1:現状把握(サーベイの実施)退職者が出る前に、在職者の不満の「種」をアンケートやパルスサーベイで拾い上げます。退職面談に頼らず、在職中に定期的にコンディションを測ることがポイントです。ステップ2:傾向分析(クロス集計)「どの部署で」「どんな属性(年代・入社年次・職種)の人が」「何に不満を持っているか」をクロス分析し、離職の震源地を特定します。全社一律の対策は効果が薄く、課題の解像度を上げることが重要です。ステップ3:個別対策の実行画一的な施策ではなく、「A部署は人間関係の改善が急務」「B部署は業務過多の解消が優先」といった課題ごとのアクションプランを立てて実行します。関連記事:離職対策の成功事例5選!業種別・企業規模別に紹介5. 現場の壁:「本音なんて怖くて聞けない」分析の重要性は理解していても、現場のマネージャーからは「それができれば苦労しない」という声が上がっています。「1on1で『不満はある?』と聞いても、『大丈夫です』としか返ってこない」「忙しすぎて、部下の顔色の変化まで観察できない」「もし本音(自分への不満)を言われても、どう対処していいか分からない」信頼関係が崩れかけている相手に、マネージャーが直接本音を聞き出すのは至難の業です。さらに、マネージャー自身が離職の原因になっている場合、本音が語られることはありません。「数字の報告」で終わらせず、かつマネージャー個人に依存しない仕組みが必要です。6. 「見えない不満」をAIが可視化する「みんなのマネージャ」こうした「見えない不満」を可視化し、手遅れになる前に対処するために開発されたのが、AI人材マネジメント・エージェント「みんなのマネージャ」です。離職率の改善を「結果の分析」から「未然防止」に変える3つの機能機能1:「サイレント不満」をAIが検知スマホで回答できるパルスサーベイにより、面と向かっては言えない「業務負荷」や「人間関係の悩み」を収集。AIが回答の傾向を分析し、「この部署では『評価への納得感』が低下しています」といった潜在的な離職理由を可視化します。機能2:離職予兆アラート「最近、発言がネガティブになった」「回答速度が遅くなった」といった微細な変化から、AIが離職リスクを算出。「Aさんに離職の予兆があります」とアラートを出し、手遅れになる前に対話の機会を作ります。機能3:具体的な改善アクションの提案(AIアクションリスト)課題が分かっても「どうすればいいか分からない」マネージャーのために、「Aさんのキャリアについて、次回の1on1でこう聞いてみましょう」「Bさんの業務負荷が高いようです。タスクの再配分を検討しましょう」といった具体的なアクションを提示します。経験の浅いマネージャーでもAIのアドバイスに沿ってコミュニケーションをとることで、質の高いフォローが可能になり、組織全体のマネジメントレベルが向上します。7. まとめ離職率は、組織の健康状態を示すバロメーターです。平均値との比較に一喜一憂するのではなく、その数字を作っている「一人ひとりの感情」に目を向けることが離職防止の第一歩です。そして、退職理由の「ホンネとタテマエ」のギャップに向き合い、在職中にサインを捉えて手を打つことが、真の離職率改善につながります。それを現場のマネージャー個人の力だけで行う必要はありません。「本当の離職理由を知りたい」「手遅れになる前に手を打ちたい」とお考えなら、ぜひ「みんなのマネージャ」をご検討ください。 よくある質問(FAQ)Q. 離職率の計算方法は?A. 離職率 = 一定期間の離職者数 ÷ 期初の常用労働者数 × 100(%)で算出します。厚生労働省の雇用動向調査では、1月1日時点の常用労働者数を分母としています。Q. 離職率の全国平均はどのくらいですか?A. 厚生労働省「令和5年 雇用動向調査」によると、2023年の全産業平均離職率は15.4%です。ただし業界によって大きく異なり、宿泊業・飲食サービス業は26.6%、鉱業・採石業等は6.3%と4倍以上の差があります。Q. 離職率が高い業界はどこですか?A. 最も高いのは宿泊業・飲食サービス業(26.6%)、次いで生活関連サービス業・娯楽業(21.7%)、サービス業(19.0%)です。シフト制の労働、対人業務のストレス、若手比率の高さなどが主な要因です。Q. 退職理由で「本音」と「建前」にギャップがあるのはなぜですか?A. 円満退社を望む退職者にとって、本当の不満(人間関係、評価への不満など)を伝えるメリットがないためです。そのため、在職中のサーベイや日常的な対話で兆候を捉えることが重要です。Q. 離職率を下げるために、まず何から始めればいいですか?A. まずは在職者のコンディションを把握するパルスサーベイの実施をおすすめします。退職面談だけに頼らず、在職中に不満の「種」を発見し、部署ごと・属性ごとの傾向を分析することで、効果的な対策が打てるようになります。>>みんなのマネージャ資料請求はこちらから>>無料オンライン相談・サービス説明はこちらから